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スクエアフェイスリング ※完全受注生産、メンズサイズのみのご案内になります。 ※ご注文の方はメールにてご相談ください。

ぼくの人生のある時期。
心に暗い嵐が吹き荒れることが幾度もありました。
それは落胆や怒りや悲しみが暴力的に渦巻いた数年間でした。

このリングの顔は、その暗い時期をふり返っているような。
そんな表情を思いながら仕上げました。

その時期には、けれど暗いだけではなく、それに負けないくらい楽しいことや嬉しいこと、あたらしい出会いや感謝することもたくさんありました。

辛いことも多々あったけれど、それを吹き飛ばすようにいっぱい笑いもしました。

その思い出も余さず作品にのせたくて欲張った結果、このリングは笑ってしまうくらい大きな一本になりました。

ぼくの作品の中でこれは、一番大きなリングです。

使っている地金の量も、リングとしては異例のボリュームだと思います。

たくさん使った地金は辛いことを上回る喜びの量でもあります。

手にずっしりと感じるくらい、楽しいこともあったのだと、作品にそのまま語らせてみたかったのです。
指におさめたときに感じる重さはだから、喜びの総量なのです。
それを感じながら楽しんで、ドカンとつけてもらえたら最高です。

こんなに地金を使い、こんなに大きい作品なのに、デザインはシンプルに顔だけです。
そういう外しもまた、思わずニヤけてしまうおもしろさがあります。
この作品はある種の禊（みそぎ）であったようにも思います。

あまりに続く暗い嵐で立ちすくんでしまったぼく自身に、発破をかける制作になったように感じています。

忘れるのではなく、しっかりと受けとめ噛みしめ、それを糧にまた歩き出せる強さが、生きる上では必要なのだと深く思うのです。