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「ガイコツは人種を問わない。一皮むけばみんなガイコツなんだよ」
トモダチのこの一言で迷いがほどけ生まれたこの作品は、ぼくが初めて作った、ぼくなりの髑髏です。
スカルのモチーフはあちこちで目にするのですが、それをぼくが作るのは何だか違うような気がしていて、長らく遠ざかっていました。 だからトモダチがあの一言を語りこぼしてくれなかったなら、この作品は生まれなかったと思います。
迷いがほどけただけでなく、何より心が動いたのです。 動いた心の、その感覚でもって、スカルを作ってみようと決めることができたのです。
ぼくらしく作ろうと心に決めて仕上げたこの作品は、だからスカルでもドクロでもなく、オカシラなのです。
オカシラを作るにあたって頭蓋骨というものに、まずはきちんと向かいあってみようと思いました。 漠然としたイメージでわかったつもりになっていた頭蓋骨ですが、細かく見ていけばいくほどに、ぼくの想像をかるく越えたところに着地することに気がつきました。 ひとつひとつの部位に役割があり、役割において洗練され、ムダなく組みあがった頭蓋骨にはある種のリズムと流れがありました。 ワックスを削りこみ造形しながら、そのリズムと流れをぼくの一番心地よいと感じるところまで絞りあげ、オカシラを仕上げました。
オカシラのバチカンにも、ぼくらしさを乗せてあります。 人の数だけ顔の向きがあるように、バチカンの付け方次第でオカシラは顔の向きを変えます。 正面を見たい人もいれば、横を見たい人もいる、下を見たい人だってもちろんいます。 それは個性の在り処によるかもしれないし、そのときの心模様だったりするのかもしれません。
正面を向いていることだけが正解ではないと、ぼくには思えるのです。 それを伝えたくて、バチカンの向きを選べるようにしてみました。 手にとってくれたお客さん自身の、そのときの心向きそのままのオカシラを選んでくれたらと思います。
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